CDA2次試験
厚生労働省指定のキャリアコンサルタント資格(日本キャリア開発協会)の取得のため、一昨年12月から通信教育を受講し、昨年1月~3月に計8回の土曜スクーリングに参加、6月1次試験(筆記)、8月2次試験(実技)を経て、うまくいけば9月に資格取得となる予定でした。が、8ヶ月遅れて、今月ようやく2次試験に合格し、キャリアカウンセラーの資格(CDA)を取得できる運びとなりました。
大学受験以来の勉強で1次試験をなんとかクリアしたものの、2次の実技試験で2回不合格となり、3回目の今回ありがたくも合格通知書をいただきました。
そもそも1次試験は出題範囲が6冊のテキストからなので、時間をかけて勉強していけば何とかなりますが(とは言え、50歳を過ぎてからの暗記物は辛うございました)、2次の実技は必ずしも知識があるからといって合格できるものでもありません。
実技試験は20分。ロールプレイング10分と面接10分。今回の試験は4月21日と22日に実施されましたが、私は22日の午後、渋谷の試験会場です。
控え室には15名の受験者が集まり前半組、後半組に分かれます。私は後半組となり、30分ぐらい控え室で待ってから、いよいよ名前を告げられ試験部屋へ向かいます。
呼ばれて試験部屋の前に行くと、クライエント役の方が待っていてくれます。「こんにちは、よろしくお願いします」。 今回は中年の女性の方がクライエント役です。私は緊張した面持ちですが、クライエント役の方はニコニコ笑顔でとっても親しみやすいキレイな方です。「別のところでお話したかった」などど不埒にも思ってしまい、「いかんいかん、こんなことでは」と気を引き締めました。
部屋に入ると試験官2名。2人とも女性です。「ううっ、3対1かあ」。研修の講師をしているので20~30名の受講生の視線には耐えられますが、3人の女性の視線には緊張してしまいます。
荷物を端の机の上に置いて、試験官の前に置かれた2つの椅子の位置を調整します。ちょうど角度が90度ぐらいでしょうか。距離は、近からず遠からず。試験官から「それでは、どうぞ」と告げられて、ロールプレイングスタートです。
「今日はどんなご相談でお越しになったのですか?」、と私。
「はい、今の仕事が不安なんです」、とクライエントの方。
「そうなんですか。不安なんですね。それではもう少し詳しくお話を聞かせていただけますか?」 と、続けていきます。
今回の相談は、「私は契約社員で、小さな会社に勤めているのですが、英語ができるので、社長が私ばかりに仕事を回してくる。もう首が回らない。正社員もいるのにどうして契約社員の私にこんなに? しかも法律関係の書類とかもあって、内容があっているか自信もない。とっても不安です」というもの。
カウンセラーとしては、まずクライエントが何でも話しやすいように雰囲気づくりを行い、彼女の気持ちの中に一体何が起こっているのか、それをひとつひとつひも解いてていきます。そしてクライエント自身で心の中を自己探索できるように、自分自身で解決策を導き出せるように寄り添っていきます。ですから、カウンセラーは自分の価値観や考え、解決策を言ってはいけません。
つまり、「うん、うん」、「そうなんですか。それで?」、「不安というのは?」という感じでクライエントと会話していきます。
これが私には難しかった。今まで30年に亘る私の仕事は常に問題の解決策を考え実行すること。すなわち問題の原因を追及・分析し、何がベストの対策なのかを考えることでした。その為、この思考パターンが頭のてっぺんから足の先まで染みついております。そんな私なので、「あなたの心の中に解決策がありますよ」というカウンセラーの世界に思考を切り替えることはとても大変なことなのです。
頭ではわかっていても緊張感あふれる試験場では身体が反応しません。2回落ちたというのも先入観やらクライエントの自己探索をサポートしていないというのが要因です(不合格通知書には講評というかたちで不合格の理由が記載されています)。
桜桃に不合格の理由を言うと、「そんなん、あんたには無理や。先入観だらけやもん」。2回目落ちた時は、「あんたにはむかん。やめとき。いつも私に言うてること思いだしてみ」。3回目の受験の時には、追い打ちのように「もうええやん、あきらめ」と、励ましの言葉をいただきました。
正直、3回目の試験の際もロールプレイングで、「不安なんですね?」と自分で言っておきながら、「ああ、これ、やっぱ違うわ。僕には合わん」と思ったものでした。
そして、10分経過し今度は面接です。クライエント役の方は部屋から出て行った後、試験官からいくつかの質問があります。
「やってみてどうでしたか?」
「何かもっと質問ありそうでしたが、どうしてしなかったのですか?」
「この資格をどう活かそうと思っていますか?」
前回の面接では、面接官によけいなこと(先入観)を話しすぎてバッテンをもらいました。試験対策の勉強会でもCDAの先輩から、「吉岡さん、しゃべりすぎ」とか言われていましたので今回も気をつけていましたが、やっぱり口が滑って話しすぎてしまいました。人間そう簡単には変われません。
試験が終わった後は、もうぐったりです。できたという自信がなかったからです。普段は何があっても根拠のない自信で、「ふん!」という顔をしているのですが、今回はさすがに2~3日沈んでおりました。知識を問うわけではない、何か人間性を問われているような感じがして、できなかったらダメージが大きいのです。就職の面接で落とされたような感じです。
試験から発表まで1ヶ月あるのですが、何か心に引っかかるもやもやした不安感があり、この歳でなんでこんな感覚を味合わなければあかんのかとも思いました。
そして18日、合格通知が郵送で送られてくる日です。不合格通知書は小さな封筒で、合格通知書はA4の大きな封筒送られてきます。郵便受けをちらっと覗くだけで、合否がわかってしまいます。
すでに2回小さな封筒でショックを受けているので、「今回もダメならまた次回がんばればいい」、とか「傾聴スキルをまた勉強できるよね」、とかポジティブシンキングの備えもします。でもやっぱり合格して欲しいなあ、とかいろいろ考えます。桜桃は、「あんた不合格でも、もうこんな試験受けんでええわ。絶対無理。」とか言ってくれます。配偶者とはありがたいものです。
さあ、通知書が届く当日、会社から帰ってきました。バス停からマンションの郵便受けまで20メートル。ドキドキ、落ち着け落ち着け。マンションのロビーに入ってきました。目の前に郵便受けがやってきます。
「おおっ」、郵便受けに二つ折りに何か差し込まれているではありませんか。ちょうどおしり半分が郵便受けから出ている感じです。恐る恐る取り出して、封筒の差出人名を見てみます。
「日本キャリア開発協会」。
ほっー、としました。これで落ちたら会社の人とか、CDAの諸先輩方とかいろいろ教えていただいた方に合わせる顔がないなあ、と内心思っていました。うれしいというよりとりあえず安心した気持ちが先に起こりました。
エレベーターで上がり、家のドアを開けて、「ただいまー」。
「どうだった?」 A4の封筒を桜桃にひらひら見せると、「そっー、よかったわね。おめでとう! でも、それホントに合格通知?」。
桜桃もホッとしたようです。ここでまた落ちたらグジグジして、たまらんからだそうです。まあ、この際何も言いません。で、さっそくお祝いということで浦和のキリンシティでビールで乾杯しました。風がちょっとひんやりした、でも心地よい夜でした。
















































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